札幌がエースFWダビ(24)と移籍交渉を進めていたカタールリーグの強豪アルサードに、損害賠償請求を検討していることが1日、分かった。アルサードからのオファーを受けたダビは9月24日に移籍交渉のためチームを離れ現地入り。しかし契約交渉は不成立に終わり、この日一転、残留が決まった。クラブは札幌市内で会見を開き、不在によって被った損害賠償をアルサードに請求する方向で弁護士と協議を進めることを明らかにした。

 この日午前、アルサードとダビの代理人から相次いで、交渉決裂を知らせる連絡がクラブに届いた。移籍は確実と見込んでいたクラブにとっては寝耳に水だった。ただでさえ残留に向けて厳しい戦いを強いられているなか、ダビ不在の9月27日の東京戦は1-2で敗れた。しかも、シーズン途中の移籍による違約金を含め、約3億円(推定)の移籍金もご破算になった。

 三上強化部長は「不成立はダビに聞くところによると、フロントと現場の考え方に違いがあったようだ。こちらとしては移籍は本人の意思で決まる理解でいた」と不快感を示した。今回の移籍交渉はルール上は問題なく、ダビ個人にペナルティーを科す予定はない。しかし、結果的に「踏んだり蹴ったり」の札幌側は、アルサードに何らかの「誠意」を求めていくことになりそうだ。