ノルブリッツ北海道が悲願のJFL昇格を手繰り寄せる。来季昇格をかけた全国地域リーグ決勝大会1次ラウンドが22日、鳥取・コカ・コーラウエストスポーツパークなどで開幕する。北海道リーグ代表のノルブリッツ北海道は、昇格条件の「安定したクラブ運営」や「競技場確保」などピッチ外の準備はほぼ整い、残るは今大会での結果のみ。企業チーム時代から数えて14度目の挑戦が幕を開ける。

 JFL切符奪取へ、チームの士気は日増しに高まっている。ノルブリッツ北海道の選手、スタッフは21日、札幌から試合が行われる鳥取に移動した。22日の1次ラウンド初戦で、矢崎バレンテ(東海代表)と対戦する。斎藤吾郎監督(36)は「(矢崎は)戦えない相手ではない。チャンスはある。粘り強くやりたい」と口元を引き締めた。6連敗中の1次ラウンド突破へ、まず初戦快勝で好発進したい。

 今季は本格的なクラブチームへと変革した年となった。昇格条件の中で、難題だったクラブ運営の安定化と競技場の確保は、ほぼクリアした。

  (1) 安定した運営

 昨年10月からスポンサーを募り、50社以上と契約。今年10月には就職あっせん業の札幌ビズカフェと業務提携を結び、選手は試合、練習を優先できる職場確保が可能になり、新加入選手獲得にも好影響を及ぼしている。今年4月からファンクラブ会員募集も始め、ホームグラウンド所在地の江別市では地域貢献活動にも参加。03年に北電サッカー部を母体にクラブ化されたチームは、少しずつ、着実に成長してきた。

  (2) 競技場確保

 芝2面の練習場を保有。JFL昇格後の試合会場確保もサッカー協会に打診済みで、コンサドーレ札幌の試合会場日程も確認した。北海道サッカー協会特任理事でクラブの松田英樹GM(31)は「まだ正式な話はしていないが例えば(札幌の)前座試合とか、いろいろ考えれば可能と考えている」と説明した。

 本格的なクラブ化は、チームにも好影響を与えた。斎藤監督は「選手に『自分たちだけでサッカーをやっているわけではない』という自覚が出ている」と変化を口にした。道リーグ今季得点王のFW岡戸佑介(27)は「ぼくらの希望でもあるけれど、道サッカー界の代表としてもJFLへ行きたい」と言った。よりパワーアップした期待を背負い、昇格の2文字だけを見つめている。【長島一浩】