仕切り直しの昇格決定に向けて、気持ちを切り替える-。勝てば2位が確定した熊本戦で1-1の引き分けに終わったJ2山形が、ホーム昇格を逃してから一夜明けた24日、天童市内で調整練習を行った。熊本戦に先発出場した選手が明るい表情で参加。DF石川竜也(28)が「苦しんだ経験を次に生かすことしか考えていない」と前向きに話すなど、30日のアウェー愛媛戦に照準を合わせた。

 残り2戦で決まるJ1昇格へ、後ろを向いている暇はない。DF石川は「昨日は昨日で終わり。今日から1週間は、愛媛戦に勝つための準備をするだけ」と力強く言った。重圧に苦しんだ熊本戦を振り返り「こういう経験をして、みんな成長していく。無駄にしない練習を今後、やっていきたい」と話した。イレブンにも落胆した表情はない。生みの苦しみを味わいホーム昇格は逃したが、心は既に愛媛戦に向いていた。

 熊本戦で同点弾をゲットしたFW豊田も同じ思いだった。「(熊本戦は)何かがおかしい状態で戦ったけど、初体験だから仕方のないこと。引きずらないことが大事」と強調した。昇格争いの重圧は、日の丸を背負った北京五輪代表のそれとは違う感覚という。最近は疲労が蓄積して眠れない日もあるそうだが「得点できてるし、この調子を最後まで維持したいと思ってます」と頼もしい。

 25日はオフ。心身をリフレッシュし、26日から再始動する。石川は「プレッシャーを受けた中で、いかに自分のプレーを出せるか。そうするために繰り返し準備することは、上のカテゴリー(J1)に行っても変わらない」と話した。勝てば無条件で昇格が決まる愛媛戦。昇格への再挑戦はもう始まっている。【木下淳】