磐田オフト監督が残留恩返し
J1残留争いをする磐田ハンス・オフト監督(61)が、残留を決めて恩返しをする。6日の大宮戦に向けて5日、磐田市内で非公開で調整した。勝てば残留、引き分け以下では自動降格の可能性も残る一戦。練習場には約100メートルにも及ぶ、サポーターからのメッセージ入り横断幕が掲げられた。スタジアムは満員が予想され、ファンから心強い後押しを受ける。82年に日本での指導者としてキャリアをスタートさせた磐田(当時ヤマハ)のために、残留を決める決意だ。
オフト監督が指をさした。その先には、この日の練習前にサポーターに掲げられた、約100メートルにも及び残留を望むメッセージが書かれた横断幕があった。選手に向かって「見てください。我々にはサポーターのために、地域のために残留をする義務と責任がある」。負ければJ2自動降格が決まる可能性もあるだけに、残留の重要性を訴えた。
今季9月に、12年ぶりに磐田に復帰した。J1残留の使命を託されたが、就任当初は選手が同じ方向に向いていなかった。それでも「残留という目標ができたことで、全員が同じ方向に向いた。記者の皆さんも書くためにテーマが必要でしょう。テーマがあれば仕事ができる」と、記者の仕事に例える余裕を見せた。
降格が現実味を帯びてきた10月に入ると、ホームタウンの磐田市側は磐田駅前でチラシを配り、宣伝カーを町に走らせ、市民に応援を呼びかけた。残留争いが最後までもつれ込んだことで、6日のホーム戦チケットは、03年8月の東京戦以来約5年ぶりに完売する皮肉な盛況ぶり。そのため急きょ、ホーム戦では初めて駅前スポーツ交流プラザでのパブリック・ビューイングを決めた。
泣いても笑ってもリーグ最終戦。自然と周囲は盛り上がりを見せるが、指揮官は「心は熱く、頭は冷静に」と、老練に話す。それでも「残留を決めれば、ビールで祝いたいね」とも。外国人として初めて日本代表監督になった知将が、指導者として日本で初めてキャリアをスタートさせたチームを、降格させるわけにはいかない。【栗田成芳】
[2008年12月6日11時14分 紙面から]
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