ピチピチなでしこ出てこい!

 サッカー女子の日本代表候補11人、なでしこチャレンジプロジェクト29人、U-19代表候補32人の計71人が13日、福島県楢葉町のJヴィレッジで、合同合宿をスタートさせた。3カテゴリーが同時に合宿を組むのは初めての試みだ。中でも注目されるのが、U-19代表候補の熊谷紗希(常盤木学園3年)。全日本ユース3連覇の主将が、ジャパンの先輩たちを脅かす。

 身長171センチの高さがあっても、小柄なFWに機敏に対応する。熊谷はこの日、11対11のゲームを中心としたメニューをこなした。今季は筑波大に通いながら浦和レッズレディースでプレーする。新人という立場が「逆にやりやすい」と話す。

 「高3で1番上(最高学年)になって、やりづらかった」(熊谷)というのが、その理由だ。もともと、上がいないと燃えないタイプ。高校入学時も、なでしこリーグを意識していなかったが「なでしこのチームと練習試合で戦って、上には上がいると思った」。そこでトップを目指す決意をした。

 今季の目標は「リーグ優勝と全日本選手権の優勝。レッズのために頑張る」と熊谷。そして8月に開催されるアジア杯に向けても「北朝鮮に勝って優勝したい」。もちろんA代表にも意識は向いている。「個人としては代表に選ばれたい」と熊谷。現段階から選出されれば当然、12年のロンドン五輪も見えてくる。

 合宿の目的を、佐々木則夫監督(50)は「若くて可能性のある選手を把握すること」と明かした。熊谷については「北京五輪の補欠メンバーにも選ばれているんだから、可能性がある」と期待大だ。

 熊谷は昨年、A代表としてアジア杯に出場し、3位に輝いた。当時を思い出すと「サッカーにさまざまな国の色が出ていた。気持ち良かった」と思わず声を弾ませた。目指すはロンドン-。宮城の地で育った「なでしこ」が世界へ羽ばたく。【三須一紀】