浦和が3日、藤口光紀代表取締役社長の退任と、後任に三菱自動車前常務で現在クラブの非常勤取締役を務める橋本光夫氏が就任することを発表した。さいたま市内での定例取締役会で内定。24日に行われる定時株主総会を経て、同日から新体制に移行する。06年4月から実質4期目途中で退任する藤口社長は「私の退任が内定しました。明日試合もあるし、チームを混乱させるつもりもない」と選手らを気遣い、多くを語らなかった。

 社長の任期は1年ごとの更新となっており、表面上は任期満了での退任。だが、タイトルこそ逃したものの昨季7位の成績で、新監督を迎えて強化やクラブ環境の再整備に取りかかった直後でのトップ交代は、事実上の解任とみられる。クラブの筆頭株主である三菱自動車などから、運営面での責任を追及される形となった。

 07年度には営業収入79億6400万円(純利益6200万円)を計上したが、設備投資や利益に直結しない普及活動への理解を得られなかった。さらに、選手時代にドーピング検査でマリフアナ使用の陽性反応が出たイブラヒム・タンコ・コーチ(31)の招聘(しょうへい)を巡って、三菱自動車側とも意見が対立。常習歴もなく、入国やビザ発給など法的には問題なかったが、事前の調査不足や危機管理意識を疑問視する声が強まっていた。