<J2:札幌1-0横浜FC>◇第10節◇26日◇ニッパ球

 横浜FCが、10人の札幌に0-1で敗れた。前半19分に相手選手の退場で数的優位に立ちながら、それを生かせず。相手MFクライトン(31)にゴールを許して、今季ホーム3敗目を喫した。昨年6月から続くホーム戦の連続勝ちなしは15試合となり、J2記録にあと1と迫った。

 長身FW御給(ごきゅう)へのクロスも次々とはね返され、今季初めて2トップのトップ下に入ったカズを含めてFW4人の攻撃布陣も空回り。ホーム初勝利を目指しながら喫した黒星に、樋口監督は「残念」と力なく言った。

 早々と相手が10人になり、チャンスはあった。ボールを支配して、パスを回した。しかし、シュートは8本だけ。「11対10になって気持ちに甘さが出た。逆に札幌は集中し、1人1人が戦っていた」と、MF鄭容台は話した。数的有利が、精神的な不利を招いた。

 ホーム未勝利は観客動員にも影響する。この日は今季最多の5489人だったが、ホーム平均は10節までで3940人。ニッパツ三ツ沢球技場に限れば、カズ加入前の04年以来の低迷ぶりだ。視察したJリーグの鬼武チェアマンは試合について「話したくない」と一言。「入場者を増やすように、ゲキを入れに来た」と話したが、お粗末な試合内容に渋い表情だった。

 前節水戸で今季初勝利をあげたが、横浜に戻りまた黒星。「ホームで勝てないのは情けないよ」と、カズは悔しさをあらわにした。「もっと戦おう」。敗戦のロッカールームに響いた樋口監督の言葉が選手に伝わらない限り、泥沼は続く。【荻島弘一】