<J1:川崎F3-2浦和>◇第11節◇10日◇埼玉

 前節まで首位だった浦和はホームで川崎Fに2-3で敗れ、第2節からの不敗は9で止まった。

 本拠地を赤く染めた5万観衆の惜しみない拍手を浴びると、悔しさがさらに募った。川崎Fに今季最多の3失点で逆転負けし、首位陥落。後半19分に勝ち越しゴールを決めながら、直後に自らのファウルでPKを献上したDF闘莉王は「今日の敗因は僕かもしれない。落ち着かせるべきところで落ち着かせられなかった。自分の勉強するところです」と唇をかみしめた。

 連戦の疲労に加えて、試合開始時点で気温29・3度の猛暑。前半31分にFWエジミウソンの2戦連続ゴールで先制するなど優勢に戦いながら、時間の経過とともに生命線の運動量が低下。フィンケ新監督のもとで取り組んでいる連動サッカーが影を潜め、J屈指の破壊力を持つ川崎F攻撃陣へのマークが緩んだ。

 前節柏戦でリーグ戦初得点を挙げ、今季初先発に抜てきされたFWエスクデロも「暑さと疲れがあって足が止まった」と後半18分に右足がつって交代した。試合前日練習を30分足らずで切り上げた指揮官の「私にとっても(日本の夏は)新しい経験になる。消耗戦になるのでは」という悪い予感が、的中してしまった。

 右足首のねんざで欠場したMFポンテも精密検査の結果、全治まで少なくとも3週間以上かかることが分かった。既に故障で戦列を離れているFW田中達、MF梅崎も復帰の具体的なめどが立たない。開幕鹿島戦以来、10試合ぶりの黒星を喫したうえに、次節16日はいよいよ、昨季リーグ戦とACL準決勝で1分け3敗と1度も勝てなかったG大阪戦を迎える。夏本番を前に、赤い悪魔が試練に立たされた。【山下健二郎】