<J1:広島3-1山形>◇第12節◇16日◇広島ビ

 山形が、J1昇格後初の3連敗を喫した。苦手意識を持つ同じ昇格組の広島に、前半10分までに2点を先取されるなど、今季最多失点タイの1-3で完敗。4試合ぶりに古橋-長谷川の2トップが先発したが、後半22分にMF秋葉勝(25)がヘッドで一矢報いるのがやっとだった。4勝3分け5敗と、黒星も初めて先行してしまった。

 悪夢のような10分間だった。前半8分、MFキムの安易なバックパスを、広島MF柏木に奪われ先制点を献上。その2分後の相手FKでは、ゴール前でフリーにさせたDF槙野に、頭で決められた。「集中させて送り出したんだが」と首をひねる指揮官。引き締めを図るため前半34分、キムをベンチに下げた。

 「心にダメージが残るかも知れないけど…」。心を鬼にした小林監督だが、流れは変わらないどころか、誤算が続く。70分を見込んでいたFW古橋を、40分で交代。「(不安のある)右をかばって左足が突っ張ったようだ。長期離脱は困るから」と指揮官。秋葉のゴールが、やっとだった。

 トラウマが、こびりついていた。昨季の最終対決で0-4で負け、広島に22もの勝ち点差をつけられた。過去3試合全敗の鬼門で、今季最多タイの3失点。チームの成長具合が判断できると踏んでいた一戦で、トンネルに入ってしまった。「3連敗は仕方ない。ズルズルいきたくないので(20日の)ナビスコ杯は選手を代えて戦いたい」と指揮官。リーグ戦中断まで、残る23日の京都戦で光明を見いだせるだろうか。【山崎安昭】