<J2:仙台2-2徳島>◇第15節◇16日◇宮城スタジアム

 白星街道を快調に走る仙台が、格下・徳島に2-2で手痛いドロー。連勝を7で止められた。開始3分に先制されたが、FWマルセロ・ソアレス(27)とMF梁勇基(27)のゴールで前半のうちに逆転。だが後半に追いつかれ、ホームで勝ち点3を取りこぼした。MF梁が「どこかで『今日も勝てる』と思っていたかも」と話すように、気の緩みも連勝ストップの一因になったようだ。

 思い通りに運ばない展開にイライラが募った。手倉森監督は主審の判定に顔を紅潮させ、副審の制止も無視して叫ぶ。FW田中も好機を笛で止められ、ボールをたたいて悔しがる。「競り合いの中でシャツを引っ張られても、警告どころか見逃された。それでも勝たなくてはいけないが…」と指揮官。連勝ストップに、怒りのやり場がなかった。

 リーグ最少失点のDF陣が今季2度目の複数失点。手倉森監督は「徳島の戦略にはまった」と分析した。185センチの羽地と184センチの佐藤にロングボールを送る徳島の攻撃はビデオで研究済み。注意も促していたが「放り込むサッカーに、予想以上に手を焼いてリズムを奪われた」。中盤も支配され「予測が足りなかった」と見通しの甘さを認めた。

 選手間の意思疎通も徹底されていなかった。「(2-1の後に)しっかりブロックを作ってカウンターに出れば良かった。3点目を取りにいってバランスを崩した」とDF渡辺。MF梁も「もっと中盤が下がってカウンターにすれば良かった」と戦術面を指摘した上で「心のどこかで『今日も勝てる』と思っていたのかも」と油断が招いた可能性を口にした。

 「悔しいけど、負けたわけじゃない。気を引き締めろということ。攻守両面を修正して、一から勝ち星を積み上げたい」と手倉森監督は切り替えた。ショックを引きずらず、良薬とするか-。下位との対戦で二の舞いだけは許されない。【木下淳】