<J1:大分2-1清水>◇第29節◇18日◇九石ド

 J1清水が最下位大分を相手に1-2で敗れ、痛い、痛い、黒星を喫した。後半5分、右CKをDF岩下敬輔(23)が合わせ先制。しかし、その後、相手エースFW高松大樹(28)に2得点を奪われ、今季初の逆転負けを喫した。リーグ戦での2失点は7月18日の鹿島戦以来、3カ月ぶり。クラブ記録更新中だった同戦連続不敗記録も13でストップ。順位も首位からACL出場圏外4位に後退した。

 負けない清水が負けた。試合後、スタジアムは、逆転勝ちでJ2降格に待ったをかけた、大分のサポーターの大歓声で包まれた。歓喜の輪をつくる相手選手らとは対照的に、清水イレブンは、それぞれの位置でただぼうぜんと立ち尽くした。MF兵働主将は「そう簡単に思うようにはいかない。もちろん優勝だって簡単ではない。1点取って、気持ち引きかけた」と、声をしぼり出した。

 明らかに普段とは違う動きで、まるで「金縛り」にあっているかのようだった。試合開始から、テンポは一向に上がらない。ここまでの快進撃を支えてきたサイド攻撃も影を潜め、単調な攻撃とミスが目立った。FW岡崎は「前半の戦いは想定範囲内だった」と話したが、前半45分間で放ったシュートはDF市川の1本だけ。90分間でも、わずか4本に抑えられた。セットプレーから奪った先制点を守りきれず、昨年のナビスコ杯決勝の相手に、またしても大事な一戦で敗れた。

 4位に後退したものの、首位川崎Fとの勝ち点差は、たったの2。再逆転は十分可能で、選手らも「切り替えることが大事」と、次節東京戦(25日、アウスタ)を見すえた。今季4戦未勝利(1分け3敗)と、相性が悪い東京戦だが、22戦連続不敗中のホームで迎える。先制点を決めたDF岩下は「ホームで負けていないのを自信にして、東京にはリベンジしたい」。この日の悪夢を振り払うためには勝つしかない。【為田聡史】