ベガルタ仙台が「大人の始動」でJ1に殴り込む。約3週間のオフを終えて21日、手倉森誠監督(42)らスタッフと、現時点の所属選手24人中18人がクラブハウスに集合。例年は全選手そろって新シーズンを迎えるが、今季はベテランに調整を一任するなど、若手中心でスタート。新加入の3選手も合流して、7季ぶりのJ1となるシーズンが幕を開けた。チームは22日、グアムに出発し1次キャンプを張る。

 指揮官が、ミーティングルームで満足そうな表情を浮かべた。「(不摂生で)顔が膨らんだ選手もいないし、オフも練習した雰囲気が伝わってきた」。昨年12月29日の天皇杯準決勝で敗れてから23日。つかの間のオフを終えた選手が、気を引き締めて戻ってきた。

 選手を信頼した、異例の始動だった。例年は初日に全選手を集めるが、今年はグアムキャンプに帯同しないMF永井、FW平瀬らが欠席。手倉森監督は「経験豊富なベテランは休ませた。シーズンを通して戦う体づくりのためなら、始動は別々でもいい」。今季はW杯の中断期間がある。調整を2回に分けられることも、無理して選手をそろえなかった理由だ。

 選手も自覚を持ってオフを過ごした。DF菅井は旅行先のハワイで「しんどかったけど、朝から走り込んだよ」。FW中原は「今日は体を動かさずに帰る。年明けから母校で自主トレしてたから」と自信を見せた。新加入選手もベガルタの一員になった。元磐田のMF太田は「不動の2人(梁、関口)を脅かしたいですね」と誓いを立てた。

 チームは22日、グアム入りする。到着後、即練習の予定で「まず今季前半の18戦を戦い抜く体力を養う」と指揮官。J1に旋風を巻き起こすシーズンが幕を開けた。【木下淳】