12年ぶりに清水に小野伸二(30)が帰ってきた。J1清水は22日、静岡市内のホテルで新体制・新加入選手発表記者会見を行った。ブンデスリーガのボーフムから新加入した元日本代表MF小野は全体会見に先立ち、40分間の単独会見が用意され「恩返しのつもりで全力で頑張りたい」と抱負を語った。また、今季のキャッチフレーズ「THE

 CONFIDENCE」が発表された。

 12年前、清水を旅立った「天才」が主役だった。地元スターの待望の“入団会見”に、昨年の新体制発表の約2倍の100人の報道陣が集まった。会場は約1・5倍広く用意していたが、予想を大きく上回り、テレビカメラは14台並んだ。注目を独り占めした小野は、立ち上がり一礼すると、一言一言かみしめるように話し始めた。

 小野

 高校まで育てていただいて、プロに入るときは埼玉に行ってしまった。清水の人たちには恩返しのつもりで全力で頑張りたい。

 清水商卒業後、プロとしてスタートを切った地は浦和だった。故郷のクラブ入りを期待されながら、武者修行するかのように清水を離れた。だが「試合の結果を見るときはどうしても清水の名前に目が行く。頭の中にはずっとあった」。浦和復帰をはさみながら欧州の2クラブを渡り歩き、3度のW杯に出場。キャリアを着実に積み上げ、帰ってきた。

 9日に帰国後、Jステップなどで自主トレを続け、清水商時代の特訓場だった清水船越堤公園を走り込んだ。「メディカルチェックでも問題はなかった。25日から、みんな一緒にトレーニングできる状態。30歳になったけど、男はこれからだということをみんなに見せたい」と、順調な調整ぶりに自信を見せた。

 「アウスタ・デビュー」は、2月28日の新潟とのプレシーズンマッチ(午後1半開始)になる。試合前にサポーターへあいさつプランもある。地元スター選手の移籍実現に尽力したクラブ関係者、なにより清水サポーターの大きな期待を背負い、小野がオレンジ色のユニホームに身を包む。【為田聡史】