<J1:清水3-0山形>◇第2節◇13日◇アウスタ

 山形が清水に完敗し、開幕2戦目での今季初勝利はならなかった。個人でも組織力でも差を見せつけられた清水には、昨季からリーグ戦3戦全敗。前半13分に先制されると守りを固めた相手を崩せず、逆に追加点を与える悪循環。昨季終盤から、相手オウンゴール1を除けば6試合連続の“ノーゴール”と、開幕2戦目にして攻撃力不足が浮き彫りになった。

 ファーストシュートまで45分もの時間を要した。0-1の前半終了間際、ドリブルで中央突破したMF古橋達弥(29)が右足を振り抜くが、相手GKに阻まれる。攻められっぱなしの前半に、チーム唯一のシュートを決められなかった古橋は「3失点の方より、得点できないのが問題」と、自らを含む攻撃陣を責めた。

 Jリーグ史上初の「1試合シュート0」に終わった昨年11月8日鹿島戦から、年をまたいで6戦連続「自力ゴール」がない。今季の開幕湘南戦はオウンゴールによりチームに「得点1」が刻まれたが、モンテ戦士の無得点は、実に577分まで伸びてしまった。古橋は「去年の課題(攻撃力不足)を引きずっている。どうしていいのか、今は分からない」と頭を抱えた。

 逆転勝ちできるほど爆発力のないチームが、立ち上がりに失点。あとは同点に追いつこうとして攻守のバランスを失う悪循環に陥る。歯車がかみ合わない状況に、小林伸二監督(49)は「途中でミスも出て、うまく(攻撃のリズムが)流れない」と思案投げ首だ。

 3月の残る相手も浦和、鹿島と昨季未勝利の強豪が相手。追い打ちをかけるように、FW長谷川悠(22)が右ひざを痛め交代した。エースは「3月中は…」と、長期離脱も覚悟。開幕したばかりなのに光明が差さず、選手の足取りも重かった。【山崎安昭】