横浜MF中村俊輔(31)が後輩育成を兼ね、チームのセットプレーに「日本代表方式」を導入する。横浜は20日に強豪の川崎Fと対戦する。中村は古巣に復帰以来、セットプレーのキッカーを「後輩に譲る場面もある」と発言してきた。19日に横浜市内で行われた練習でも、利き足が右のMF狩野健太(23)と交互にキッカーを務めた。日本代表ではG大阪MF遠藤保仁(30)と状況に応じて蹴り分け、チームを何度も勝利に導いている。成功体験を横浜でも生かすつもりだ。
木村監督が鋭い視線を浴びせる中、セットプレー練習が行われた。右CKは中村が蹴り続けていたが、位置が左CKに変わると狩野もキッカーに加わった。続くシュート練習でも2人はFKを交互に蹴った。中村は狩野のキックについて「(CKではゴール前の選手が)合わせやすかったと思う」と話した。
横浜の正キッカーはあくまでも中村だ。Jリーグ時代はもちろん、欧州時代も常にCK、FKを任されてきた。今も世界レベルの技術を横浜で最大限に発揮する気持ちに変わりはない。それでも古巣復帰にあたって「若い選手の良い面をどんどん引き出してあげたい」と話し、「セットプレーを自分が全部蹴るのではなく、右でいいキックを持っている狩野が蹴ってもいい」とも語っていた。
川崎F戦ではチームの将来も考え、位置や状況によって狩野に経験を積ませる可能性は十分ある。中村は日本代表でも位置や状況に応じ、利き足が右でボールの軌道や質が異なる遠藤と蹴り分けてきた。タイプの違う2人のキッカーがいることは相手にとって脅威。横浜にも「日本代表方式」を持ち込むことで、試合を優位に進める狙いもあるようだ。
狩野も意欲十分だ。中村の復帰戦となった前節の湘南戦は控えに回った。途中出場で意地のゴールを決めたが、川崎F戦では中村が右MF、狩野が左MFでの先発が濃厚。日ごろから「狙いどころ、駆け引きなどいつも勉強になっている」と中村を手本にしており、川崎F戦では「角度や位置で自分でいけると思ったら(蹴らせてほしいと中村に)言うつもりです」という。木村監督は「比べるのは失礼」としながら、「(試合では中村が)状況に応じて判断するでしょう。狩野をうまく使ってくれるはず」と期待を寄せていた。【松田秀彦】



