コンサドーレ札幌が、クラブ認知度アップのため「全道大ローラー作戦」を敢行する。6月下旬のW杯中断期間を利用し、道内7振興局11市町村へ選手約20人を“PR大使”として一斉に派遣。サッカー教室や交流イベントを実施することになった。クラブ史上最大規模となる道東、道北方面へのPR戦略で新たなファン獲得につなげる。

 札幌の選手が、リーグ中断期間に道内各地へ出張し“敏腕営業マン”として奮闘する。クラブ関係者が「オフシーズンはあるが、シーズン途中に1度にここまで多くの選手を派遣するのは初めて」と話すほどの大規模なPR作戦。6月19、20日の2日間を予定しており、原則、日本人選手約20人が振り分けられ、サッカー教室や交流イベント、トークショーなどに従事する。

 訪問するのは宗谷、十勝、オホーツク、空知、上川、根室、石狩の7振興局11市町村。「札幌だけでなく、全道での認知を上げたい」というクラブの方針にならい、石狩以外は公式戦開催のない地域がセレクトされた。札幌を中心とした現状のホーム試合開催では網羅しきれない道東、道北方面に選手を直接派遣し、ファンとの距離感を縮めていく。チームはオフに入っているが、この2日間は新たなファン獲得を目指す“宣伝ストライカー”として活躍することになる。

 今回の作戦に入らない道南方面は、試合会場での地域性を生かしたPR企画でカバーする。函館開催となる13日の次節愛媛戦では、会場の千代台公園陸上競技場に、ご当地食材を集めた特設ブースを展開。名物「いかめし」「松前漬け」や若者にも人気の「ラッキーピエロ」のハンバーガーなどが販売される。室蘭開催となった5月16日の大分戦でも会場の入江運動公園周辺で、胆振地方の物産ブースを展開。室蘭でのJ2開催としては、昇格した00年7月16日の浦和戦に次ぐ7208人の観客動員に成功した。今度はその函館版で集客につなげる。

 26日には札幌・宮の沢で「白い恋人パーク15周年感謝イベント」として川崎Fとの練習試合や、交流イベントが実施される。W杯中断期間を生かし、地方だけでなく中心となる札幌でも並行してファン層拡大に努めていく。