清水のFW藤本淳吾(26)が12日、自己記録更新を宣言した。14日の次節横浜戦(午後6時30分=アウスタ)に向け「もちろん点は狙っていく」と発言。前節鹿島戦では自身初の3試合連続ゴールを決めて、今季通算8得点。シーズンの半分で、早くも入団1年目の06年にマークした自身の年間最多得点に並んだ。チームも自分も絶好調。藤本が今回も自らの左足で、首位固めに貢献する。

 感覚を確認するだけで十分だった。この日の紅白戦は、開始直後に突然の豪雨に見舞われ、わずか10分で終了した。藤本は限られた時間の中でポジションを左右に変えながら、周囲との連係を高めた。主力組に得点シーンはなかったが「今日みたいに、落ち着いてボールを回せればいい。あとは、最後のところだけ。攻撃の終わり方を気をつければ大丈夫だと思う」と自信ありげに話した。

 MFからFWにコンバートされた今季は、エース岡崎と並び、ここまでチーム最多の8得点をマーク。「オカはどう思っているかわからないけど(自分は)オカに並んだり、追いつくことでモチベーションも上がる」とエースとの相乗効果を強調した。それでも「点を取れることは自信になるけど、自分1人の力で取っているわけじゃない。みんなで戦った結果です」と周囲への配慮も付け加えた。

 ここ3戦は自己記録を更新する3戦連発の「固め取り」で、早くも自身の年間最多得点(8)に並んだ。「大した数字じゃないし、記録はどうでもいい。チームが勝つことが最優先」と謙遜(けんそん)はしたが「とりあえずあと2点。2ケタに乗せてからは、行けるところまで行きたいですね」と、初の2ケタ得点も視野に入っている。

 横浜戦では桐光学園(神奈川)の先輩で同じ左利きのMF中村と対戦する。首位堅持のプレッシャーも当然、のしかかる。その中でも「自分のイメージ通りに、狙ったところに正確に蹴るかが大事」。藤本の左足は、誰にも止められない。【為田聡史】