札幌が“タイヤ補強”に乗り出す。コンサドーレ札幌が3日、世界的タイヤ販売製造会社「ミシュラン」の日本法人「日本ミシュランタイヤ」との新チームスポンサー調印式を行った。契約は9月から来年1月31日まで。これに伴い、同社製スタッドレスタイヤ1セット(4本)販売につき1000円が、来季補強費として支援されるプランも10月から始まる予定。同社では実績次第で来季以降の増援も示唆するなど、世界的企業の本格支援につながる可能性も出てきた。

 札幌が世界的企業ミシュランのサポートを受け、「3つ星クラブ」への成長を目指す。札幌・宮の沢でのチームスポンサー調印式は、サポーター約30人も招いて行われた。1月末までの新規契約が調印された。

 新たな手法で、チーム補強につなげる。詳細は9月末に発表される予定だが“タイヤ基金”として、同社のスタッドレスタイヤ販売額の一部が来季の経営費として支援されることも両者間で合意した。札幌の矢萩竹美社長(60)は「補強費として考えている」と明言しており、購入者が増えるほど来季戦力の充実にもつながる。

 対象タイヤを10月以降に新品1セット(4本)購入した場合、1000円がクラブに還元される。購入を証明するレシートを、今後クラブ内に新設される事務所に送付すれば、随時“貯蓄”されていく。1回の支援額は少なくても、クラブへの思いが形として積み重なっていく。さらに、オフィシャルファンクラブ会員限定で来季シーズンチケットが4000円割引になるサービスも実施される。

 「地域に密着していること、若い力でチャレンジしていることが支援に動いた大きな要因」と同社セグメントマネジャーの杉田聖威氏(43)は話した。北海道とは縁が深く、20年以上、士別でスタッドレスタイヤをテスト。マーケットとしても大きな位置を占める。7月25日のホーム横浜FC戦、8月7日の同北九州戦、同15日のアウェー東京V戦を観戦し、チームの雰囲気を把握。「クラブ愛を感じた。わが社でも顧客に愛されるブランドになりたい」と、ファンとの結束力が決め手となった。

 初の支援とあり、半期で推定300万円程度ながら、矢萩社長は「今後も継続してもらえるようお願いしていく」と話した。杉田氏も「販売実績が上がれば、今後もそれに応じた支援を検討したい」。今後はホーム会場のゴール横に「MICHELIN」の文字が掲示される。世界のレストラン、ホテルガイド「ミシュランガイド」で有名な世界的グループを味方につけた札幌が“味わい深い”運営スタイルを見いだしていく。【永野高輔】