<J1:山形1-1湘南>◇第24節◇25日◇NDスタ

 山形は、後半から途中出場したMF宮崎光平(29)の今季初ゴールで追いつき、湘南と1-1で引き分けた。サブ組の活躍で、連敗を3でストップした。

 最悪の結末から救ったのは、チーム最小兵だった。0-1の後半32分、中央のMF佐藤健が、ペナルティーエリアの左側やや外に張っていたFW長谷川へボールを渡す。わずか1分前に投入されたばかりの長谷川は、この試合最初のプレーで、中央へボールを流す。これを駆け込んできたMF宮崎が、ゴールマウスへ豪快にたたき込んだ。

 164センチのヒーローは、187センチの長谷川に抱きかかえられ、笑顔を振りまく。「入るとは思わなかったけど、思い切り蹴りました」。4月17日横浜戦以来5カ月、17戦ぶりの出場だった。「悔しい思いをしていた」といううっぷんを、一振りに込めた。

 相手は最下位。勝ち点3を要求される試合だった。ゲームを支配していたが、セットプレーで前半で1点を追う立場に。気の抜けたプレーはなかったが、ハーフタイムにはスタンドから「気合を入れろ!」コールが起きた。ベンチ待機中、リズムが山形にあると読んでいた宮崎は「湘南から5、6点取ってるんで、出たいと思ってた」と燃えていた。

 チームは故障者続きで、万全にはほど遠い状態。やりくりに困る小林監督も「途中から入った選手がいいプレーをした。スタメンにも、チームにも刺激になる」と語った。スコアだけ見れば取りこぼしに近い引き分け。だが「追いついたのはメンタル的に大きい」と内容に語気を強める。まだまだ発展途上だからこそ、技術を運動量でカバーし続けるほかない。気持ちが折れない限り、走ることは出来る。【山崎安昭】