<J1:山形3-3C大阪>◇第30節◇14日◇NDスタ

 山形は3-1の残り1分から、2連弾を許して痛恨のドロー。仙台に抜かれて13位に後退した。

 もったいない。勝ち点「1」を取ったのではなく、「3」を逃した。守備のチームが3得点。C大阪戦、さらには来季に備えて準備していた流れの中でのゴールが3本も生まれた。それがあだとなった。3-1とし、残りは10分程度。前がかりになる相手を見て、小林伸二監督(50)がピッチ脇から「キープしろ」と指示を出す。だが自陣でボールを奪うと、攻撃に転じてしまった。ボールを奪われて反撃を許し、わずか4分の同点劇。GK清水は「後ろと前の意識が統一できてなかった」と悔やんだ。

 ストライカーの活躍もかすんでしまった。後半21分、FW長谷川が今季出場21試合目にしてリーグ戦初ゴール。ロングパスを左肩でトラップし、直後にねじ込んだ。「審判によっては(ハンドを)取られたかも」と苦笑いした際どいプレー。昨季はチーム最多10点を挙げた男の復活弾だったが「やっと入ったけど勝たないと」。同36分にはFW田代が、交代からわずか4分で追加点を奪った。今季8点目は、プロ6年目でリーグ戦最多得点となったが「すんなりと喜べないです」。ともに暗い表情だった。

 「(勝ち点)3を落としたのがどう響くか」。小林監督の言葉が状況を物語っている。下位のチームを気にしながら、残り4戦を戦い抜くしかない。【湯浅知彦】