山形FW古橋達弥(30)が17日、早期復帰を誓った。前日16日に行った練習試合(対J2北九州)の疲れを考慮し、午前練習だけにとどめた長崎・雲仙キャンプ8日目。チームメートが軽めで切り上げるなか、別調整中の古橋は長めにランニングを行った。昨年11月に、痛めていた両膝を手術。経過は順調で、実戦復帰の時期を定めている。小林監督は「フル(古橋)には5、6月あたりに戻ってくればいい」と話す。

 別メニューはランニング、体幹、筋トレと地味な練習が多い。ボールに触れる時間はほとんどない。全30選手のうち、古橋だけが全体から外れている。「本当は『自分も一緒に』って気持ちになる。でも、ここで無理して長引いたら何にも意味がない」。

 小林監督の「秘蔵っ子」は攻撃の要だ。JFLのホンダFCを経て04年後期からC大阪入り。翌年、ベストイレブンを獲得し、スターダムにのし上がった。当時C大阪を率いた小林監督が08年から山形を指揮すると、引き寄せられるように翌年移籍。以後2シーズンで46試合8得点と、山形には欠かせない存在となっている。「必要とされているのはわかる。でも今は復帰だけを目指したい」。人生最大の故障を乗り越え、遠くはない「春」を待つ。【湯浅知彦】