山形は19日、長崎・雲仙キャンプの最終日にJ2大分と練習試合を2試合行い、0-1、1-2で敗れた。今季から力を入れる戦術をつかれ、スペースから合計3失点。2本目の後半35分にFW大久保哲哉(30)がゴールを決めたが、課題が残った。22日から宮崎市で第3次キャンプを張る。

 進化の過程に落とし穴があった。格下の大分相手に2試合で3失点。2本目の後半35分に大久保のゴールで一矢報いるのがやっとだった。小林伸二監督(50)は「けが人もなく、良い感じで来ていたけど、身の引き締まるような戦いになってしまった」と不満を口にした。

 新たに着手している「前線からのプレス」が機能しなかった。敵陣深くからチェックに当たっているが寄せが甘く、逆に中盤やサイドにできたスペースをつかれてピンチを招いた。パスを回されDF陣の裏をつかれた、FW森島ら力のある選手にねじ込まれた。「もっと圧力のあるプレスじゃないと中途半端になって、やられるよね」。小林監督も、チームが成長中だと理解した上で苦言を呈した。

 特にワンボランチの佐藤の両サイドに隙ができた。相手にペースを握られてストレスがたまり、練習試合ながらイエローカードをもらう場面もあった。この日からチームに合流した中井川GMも「自分たちのペースじゃないとイライラしていた」と分析していた。

 昨季のキャンプでも「4-4-2」から「4-3-3」への移行を試し、満足できる成果は得られなかった。だが、リーグ中盤戦には間に合わせ、J1残留のきっかけとなった。今年は得点の可能性を高めるための「高い位置でのプレス」に上位進出の望みをかけている。「宮崎キャンプで(J1)広島と練習試合(24日)があるし、そこで修正したい」。J1での3年目も「チャレンジ精神」を貫く。【湯浅知彦】