Jリーグなどのシーズン制移行へ、日本サッカー協会(JFA)が重い腰を上げた。JFA理事会が11日、大阪市内で行われた。会議の最後に田嶋幸三副会長(53)が各理事に、現行の春秋制から14年をメドに秋春制への移行を検討していることを伝えた。同副会長は「14年はブラジルW杯があり、6、7月はリーグ戦が開催できない。そのタイミングをメドに移行を考えている。協会としては、Jリーグ、JFL、大学、高校の意見を尊重しながら、慎重に検討していきます」と伝えた。

 会議後、同副会長は「シーズンの最後が天皇杯で、今年のアジア杯(カタール)では、満足に休めない代表選手が多かった。15年1月にはまたオーストラリアでアジア杯がある。今のシーズン制では、また休めない選手が出てくるので、それは避けたい」と話した。秋春制に移行すれば、天皇杯によるオフ期間の格差をなくすことができる。

 J幹部は「Jとしても事務局で検討を重ねた上で、各実行委員とも相談していく。地域によって積雪をどう克服するかなどの問題があるので、会議を重ねる必要がある」と慎重な姿勢。今後解決すべき問題は山積で、JFAがどう、リーダーシップを取っていくか、注目だ。

 犬飼基昭・日本協会前会長のコメント

 「サッカーは世界を相手に戦うスポーツだ。2年前にシーズン制移行を主張したが、寒い、雪問題などで時期尚早と言われ、進められなかった。それでは世界とは戦えないし、Jリーグのレベルも落ちる。欧州からいい監督、いい選手をJに呼ぶにはシーズンを合わせる必要があるし、いい選手が欧州シーズンの途中でJにくることはまず考えられない。14年からでは遅い。トップが強いリーダーシップを発揮し、早く移行してほしい」