最強布陣で歴史を塗り替える。Jユース杯サッカー(日刊スポーツ新聞社主催)で2年連続4度目の決勝トーナメント進出を果たした仙台ユースが明日9日、G大阪ユースとアウェーで対戦する。栃木、札幌、千葉と同組だった予選リーグは、2勝1分けで首位突破。来季トップチーム昇格が内定しているMF茂木駿佑(3年)を中心に、過去最高の06年の8強超えを狙う。

 強敵との対戦は望むところだ。G大阪ユースは来季トップ昇格内定の4選手を擁し、現在U-18プレミアリーグWEST首位。仙台は1カテゴリー下のプリンスリーグ東北で優勝し、来季U-18プレミアリーグEAST参入を目指している。格上が相手でも、就任4年目の越後和男監督(48)は「今年は全国大会7試合でPK戦以外では負けていない。今まで見てきた中で1番のチーム」と手応えを口にした。

 “歴代最強”のチームを支えるのは茂木だ。2年生がレギュラーの約半数を占める中、不動の司令塔として君臨。今季は週2日ほどトップの練習に加わり、キャンプにも同行して課題のフィジカル面が強化された。ユースでは「ピッチ内で考える力」を養い、トップ昇格内定を勝ち取った。監督は「全国でも、当たり負けすることがなくなった」と、成長を実感している。

 茂木を中心とした中盤のトライアングルが勝敗の鍵を握る。トップの公式戦に出場可能な2種登録された佐々木匠と、アンカーの縄靖也(ともに2年)の3人が戦況を見極め、流動的にシステムを変える柔軟な試合運びで勝ち進んだ。セットプレーのキッカーも務める茂木は「日本一を取ろうと話してきた。自分が全部やってやるという気持ちで優勝したい」と頂点だけを見据えていた。【鹿野雄太】