<全日本大学選手権:流通経大1-0関学大>◇決勝◇21日◇東京・味の素フィールド西が丘

 流通経大が関学大に競り勝ちし、初優勝を飾った。延長戦に突入するかと思われた後半43分、FW江坂任(あたる=4年)が相手のミスを突いてドリブル突破し、決勝弾を決めた。守備では主将DF鈴木翔登(しょうと=4年)を中心に無失点に抑え、劇的な勝利を収めた。今夏の総理大臣杯に続き、冬も頂点に立った。

 スタジアムが一瞬、静寂に包まれた。後半43分、FW江坂は相手のミスを突いてボールを奪うとそのまま右サイドをドリブルで駆け上がり、左足で決勝弾を決めた。均衡を破る1発に、地響きのような歓声が広がった。「やり切って終えたいと思っていた。新しい歴史を刻めた」。大会2週間前に右足第五中足骨を痛め、練習に復帰したのは13日だった。この日も痛み止めを飲んで出場した。プロ入りを希望しており「いいアピールになったかな」と笑った。

 突出したスター選手はいないが、団結力が優勝を引き寄せた。中野監督は「スター選手がそろっていて強かった時とは違う。みんな自己犠牲の精神でまとまった」。2連覇を達成した総理大臣杯に続き、今年2度目の頂点に「おこがましいですが、まぐれや奇跡ではこういうことはできない」と言い切った。