清水のアフシン・ゴトビ監督(47)が国内残留を明言した。東日本大震災後、余震や福島第1原発の動向を恐れて、帰国するスポーツ選手や監督が相次いでいる。Jリーグ再開のメドすら立っていない17日、午前中のみの約1時間半の練習を指揮したゴトビ監督は、今日18日から20日まで完全オフを決定。外国人選手へは帰国を許可する一方で「私は静岡に残る」と明かした。

 イラン出身でアメリカ国籍のゴトビ監督が日本に対する誇りと絶対的な自信を強調した。リーグ戦再開に向け、当初は通常通りに練習を続けていく予定だったが、練習試合が行えないことなどもあり、今日18日から3日間の完全オフを決めた。「今、災害がある中で(練習で)集中力を保つのは難しい。この状況だからこそ、家族と過ごす時間を与えたかった」と、日程変更の意図を説明した。

 DFボスナー、FWアレックスの外国人選手には特別に5日間のオフを与え、この日午後の便でオーストラリアに帰国させた。日本代表ザッケローニ監督や、他クラブの外国人監督、選手、プロ野球界でも外国人選手が次々と帰国している。それでも、ゴトビ監督は「私は静岡に残る。私は日本に自信を持っている。この危機を一緒に乗り越えていけると信じている」と、国内に滞在し続けることを明言した。

 そして、被災者、国民へ向けて語った。

 ゴトビ監督

 恐れながら生きるのは、生きることじゃない。全員が勇気を持って、支え合いながら、この苦境を乗り越えてほしい。

 就任直後から「ここが私の家だ」と何度も繰り返し口にしていた指揮官だからこそ、日本に対する思いも強い。そして、日本で、しかも、東海沖地震の発生がささやかれ続ける静岡で仕事をする以上、地震と向き合うことは覚悟して来日した。

 今回の災害は外国人であっても決して人ごとではない。常に明るく、エネルギッシュに仕事を全うする姿と同様に、被災地の復興を強い気持ちで願っている。【為田聡史】