J2札幌の石崎信弘監督(53)が“宮沢4段階活用”で窮地を乗り切る。チームは19日、札幌・宮の沢で午前午後の2部練習を行った。FW内村圭宏(26)は右アキレスけん付着部炎のため23日の湘南戦出場は厳しい状況。MFアンドレジーニョ、芳賀も負傷中と主力に負傷者続出も、石崎監督はセンターラインすべてこなせるMF宮沢裕樹(21)を臨機応変に起用して打開していく。

 石さんが背番号10の能力を最大限に生かし選手層の薄さをカバーする。この日は内村が終日別メニュー調整となり湘南戦欠場が濃厚となった。そのため、この日の戦術練習で1トップは三上を軸に横野、中山を途中起用。さらに石崎監督は湘南戦に向け「FWは(宮沢)裕樹もおる。前も後ろもいけるじゃろ」と宮沢をFW、トップ下、ボランチ、センターバックと使い分ける考えを示した。

 FWだけでなくトップ下のアンドレジーニョが右内転筋痛、ボランチの芳賀も右足首捻挫のため別メニュー調整となったが最悪、宮沢1人いれば、どちらもカバー可能。DF櫛引が米国遠征で不在のためバックアップが手薄なセンターバックも、16日の北海道教大岩見沢戦で挑戦し無難にこなした。指揮官も「途中でけが人が出たときのこともあるし、裕樹がピッチにいれば何か起きても対応できる」と期待した。

 宮沢も「出場する場所で頭の中を整理して臨んでいる。どこで出てもチームに貢献できるようにしたい」と前向き。4つの顔を持つ背番号10を巧みに起用し、チームのウイークポイントを消していく。【永野高輔】