清水FW高木俊幸(20)が“変化球”習得でJ1初ゴールを狙う。1日、午前の全体練習後、ゴトビ監督に呼び止められた。ゴール前にボールを7個並べると、連続で次々にシュートを放った。「監督から『場面に合ったシュートを打てよ』と言われた。強いボールとか速いボールとかだけじゃなくて、巻いた正確なシュートでコースを狙った」。カーブをかけて、左右のコーナーに緩い弾道のシュートを打ち分けた。

 J1初スタメンとなったリーグ名古屋戦では1人で大量6本のシュートを放った。その後も3試合連続でスタメン出場中だがシュート本数は4(神戸戦)→3(大宮戦)→1(磐田戦)と減少。高木は「減らそうとしたわけじゃなくて試合の展開」と、しながらも「多少の力みとか冷静さを失っていた部分もある」と、振り返った。さらに、計14本のシュートはいずれもペナルティーエリア外からで「もう1歩、ペナの中に入っていけば可能性が広がる」とも話した。

 プロ初のカップ戦の相手は甲府。昨季まで清水に所属した元日本代表DF市川と同サイドでマッチアップする可能性が高い。小学5年の体験学習で三保を訪れたときに直接サインをもらった縁もある。「シンプルにパスをして味方を使うときも必要。その中で常に点を決めたい気持ちは変わらない」。真っすぐか、変化球か。ドリブルか、パスか、それともシュートか。高木のバリエーションが広がってきた。【為田聡史】