<J1:広島3-2山形>◇第17節◇22日◇広島ビ

 FW大久保哲哉(31)の3戦連発も、MF太田徹郎(21)のリーグ戦初得点も空砲に終わった。山形は後半35分、広島DF森崎浩にPKを決められ、シーソーゲームに終止符。絶好調2トップ初のアベック砲は、むなしく流れた。

 最終局面の悲劇の序章は同29分に起きた。古巣を相手に、ペナルティーエリア内で5本以上のシュートを、体を張って防いできたDF西河が、この日2枚目のイエローカードで退場。最終ラインに風穴が空いた。広島は中央が突破しやすくなり、逆に山形はタイトな守備を求められた。結果としてDF宮本がPKを与えてしまった。

 待望のリーグ戦初得点を勝利に結び付けたかった。1-2の後半27分、MF太田はDF宮本のライナー気味のクロスを頭でガツン。試合前には好物のバナナをほおばり、最近は「ゴリラキャラ」が定着していた。清水戦(15日)は4本食べてシュートをふかした。神戸戦は5本食べてサイドネットまでいった。「もっと食べた方が良いんですかね」。ノリの良い21歳。リーグ戦初のお立ち台は逃した。下ばかりは向いていられない。26日には横浜戦がやってくる。【湯浅知彦】