横浜の木村和司監督(53)が、同級生の快挙を喜んだ。なでしこジャパンの佐々木則夫監督(53)は、明大時代の同期。共に汗を流し、共に食事し、共に酒を飲んだ仲間だ。自宅のテレビで生観戦し、「すごいよな~。世界一だもんな」と感嘆しきりだった。

 「あいつは天然系のところがあるからな」。PK戦前、常人ならば緊張するだろう円陣の中で、笑顔だった佐々木監督を見て、思い出したことがある。大学時代の寮のトイレだ。朝方、ドアを開けると、いつもの姿があった。「飲んで、便器を抱きかかえてよく寝ていたよ(笑い)」。いまや世界一のトロフィーを抱えた男も、学生時代に抱えていたのは白い便器…。「天然系」の男は、そのおとぼけぶりも変わらないまま、頂点をつかんだ。

 同じ指揮官として、目指すサッカーに共感する。「接触プレーを少なくして、支配率を高める。なでしここそ、日本のサッカーよ」。体格に劣る日本が世界で勝つためのサッカー。木村監督が横浜で追い求めるのも、同じだ。「帰ってきたら(明大のOB会で)祝賀会じゃな。ワシも優勝したいのう」。横浜は現在リーグで首位。互いに優勝監督として対話する日を楽しみにしていた。【阿部健吾】