<ナビスコ杯:清水2-0甲府>◇1回戦◇27日◇アウスタ

 第1戦をアウェーで0-1で落とした清水は、後半3分にMF小野伸二(31)がPKを決め先制、同20分にはFW高木俊幸(20)が移籍後初ゴールを挙げ、得失点で甲府を上回った。2回戦は9月14、28日に新潟と対戦する。

 ワンダーボーイがついに魅せた。1-0で迎えた後半20分。途中出場のFW高木俊幸(20)がFW永井雄一郎(32)からのパスに反応。トップギアで相手のDFラインの背後を奪うと、相手GKの動きを冷静に見極め左足で流し込んだ。20歳の若武者が待望の移籍後初ゴールで第1戦(0-1)からのビハインドをひっくり返した。

 ニューヒーロー誕生をベテランが演出した。後半開始3分、永井の突破からPKを獲得。今季リーグ戦でPK成功率100%(2本中2本)のMF小野が相手GKの逆を突きゴール右へ流し込み“同点弾”をマーク。今季公式戦初先発の永井と小野のベテランコンビがきっちり仕事をした。

 守備陣もスクランブル態勢で堅守を発揮。この日はケガから4戦ぶりに先発復帰した岩下を含む、平岡、ボスナーの3バックの新布陣でスタート。後半開始からはMF山本真を右サイドバックに下げるなど総力戦で立ち向かった。

 大敗を喫したリーグ戦後半初戦C大阪戦の悪夢も吹き飛ばした。岩下が「いろいろとチャレンジするために必要なものはみんなの自信。大敗の後のリアクションが大事」と話していたとおり、この逆転劇は中2日で控える次節広島戦にもつながる。立ち止まらず力強く前へ進む-。選手たちがピッチで証明した。【為田聡史】