石さんが超ポジティブシンキング令を出した。J2札幌は17日、札幌・宮の沢で約2時間の練習を行った。練習前ミーティングで石崎信弘監督(53)は「これからはポジティブ発言しかするな」と指示。前日16日の鳥栖戦で敗れ3位に転落したが、明日19日の京都戦(西京極)からは過酷なアウェー3連戦が始まる。敗戦ショックをひきずらぬよう、まずは精神面のてこ入れを断行した。

 0-1敗戦から一夜明け。不完全燃焼に終わった試合の翌日だ。厳しい反省会になるかと思いきや指揮官は終始、笑顔だった。「悔しいのはみんな同じ。こういうときこそ下を向いても仕方ない。これからはポジティブ発言しかしないでいこう!」。思いはストレートに選手に伝わった。ある選手は「昇格争いの厳しさを一番知ってるのが石さん。これが修羅場を経験した人のやり方だと。より一層ついていこうという気持ちになった」と話した。

 監督歴18年目、Jリーグ最多447試合を指揮。大分、川崎F、柏と何度も昇格争いを経験した指揮官だからこそできる粋な指令だった。明日の京都戦から始まる敵地3連戦についても「そりゃ3連勝じゃろ」と目標は明確。苦しいときこそ上を向く。石さん流メンタル操縦術で、困難を乗り越える。【永野高輔】