<天皇杯:京都3-2山形>◇3回戦◇16日◇NDスタ

 山形は前半9分までに2点を先制しながら逆転され、敗退した。

 降格が決まったとはいえ、J2相手には負けられない山形は序盤、意地をみせた。前半7分、FW山崎のパスを受けたFW長谷川が右足を振り抜き、先制した。今季ここまでリーグ戦2得点。苦悩のエースは3日の神戸戦後に「残り試合は全部決めたい」と話していた通り、まずは1戦目で結果を出した。わずか2分後にはMF宮沢が今季公式戦初ゴールを決め、あっさりリードを広げた。

 勢いづいた山形は“横綱相撲”で格下に襲いかかる。最終ラインを高く保ち、2トップは敵陣深くで厳しくプレスをかける。だがこれが裏目に出た。自陣ゴール前にできたスペースは、京都のカウンターの餌食となった。同15分、さらに44分、飛び出してきたFW宮吉にゴールを奪われた。リーグ戦で機能しなかった作戦は、J2相手にも通用しなかった。

 1度逃した流れは、後半に入っても変わらなかった。後半3分、19歳の若きストライカーにハットトリックを許し、2-0から逆転された。

 その後はMF広瀬、FW大久保を投入し、猛攻撃を仕掛けた。だが最後まで京都ゴールを揺らすことはできなかった。明大に敗れた09年以来、2年ぶりに格下のクラブへ金星を献上。降格から続く「負の流れ」は断ち切れなかった。【湯浅知彦】