J2札幌が、室蘭への日帰り、通い練習を敢行する。チームは21日、札幌・宮の沢で練習を行ったが、降雪でグラウンドが使えずランニング中心のメニューで終えた。このため、オフ明け23日から2日間は、悪天候に備え室蘭入江に練習場所を変更することが濃厚になった。26日の湘南戦(平塚)は負ければ昇格消滅の可能性もある、落とせない一戦。強行軍でも、確実に練習できる環境の確保を優先する。

 これもJ1昇格への試練だ。この日の札幌の降雪量は約10センチ、最高気温は0度と冷え込んだ。ヒーティングシステムを稼働させたが、降雪には追いつかなかった。石崎監督は真っ白になったグラウンドを見ながら「オフ明けは室蘭になりそうじゃな」と話した。22、23日も雪予報が続く。最終結論は23日朝、宮の沢の積雪状況を見て判断するが、すでに雪の少ない室蘭への移動バスを手配し、練習場も確保した。

 手痛い1敗を喫した20日草津戦の前も、調整変更を強いられた。宮の沢が雪に覆われ、17日は通常練習ができなかった。草津戦はセットプレーから初めて2失点、ロスタイムの失点も初めてだった。練習時間だけに敗因は求められないが、昇格への望みをつなげる湘南戦に向け、今回は調整過程でも万全の策を施す。

 宿泊プランも浮上したが、勝利給アップ作戦を導入するなど予算には限りがある。移動に片道2時間とハード日程にもMF河合は「これを乗り越えれば本当に強くなれる」と前向きにとらえた。“足”を使って雪国のハンディを乗り越える。【永野高輔】