J2札幌が来季補強の目玉として川崎Fで9シーズンプレーしたFWジュニーニョ(34)の獲得に乗り出していることが3日、分かった。シーズン中から調査を進めており、来季予算と照合し、条件面で折り合いがつき次第、正式オファーに踏み切る。

 J1定着を目指す札幌にとっては待望の人材だ。来日初年度の03年には当時川崎Fを指揮していた石崎監督の元でプレー。指揮官もプレースタイルは熟知しており「ジュニーニョはいい選手じゃよ」と評価している。今季は7得点と結果が出なかったが速さとテクニックは健在。日本への愛着も深く、J10シーズン目となる来季、札幌でプレーする可能性はある。

 J1は助っ人FWの能力が成績を大きく左右する。チーム得点王の内村や“猛牛”近藤ら、既存の戦力と融合すればJ1相手にも対抗できる攻撃陣が構成できる。今季8000万円という高額年俸がネックだが、J1になれば配分金もJ2の倍となる2億円前後見込める。岡田監督やゴンを口説き落とした誠意と交渉力も加え、国内外複数クラブとの争奪戦に挑む。

 04年にはJ2最多の37得点でJ1昇格に貢献。03年から10年までの8年連続2ケタ得点は、広島FW佐藤寿と並ぶJリーグ最長記録でもある。07年には22得点で得点王にも輝くなど実績は十分だ。今季の札幌の特長は守備力だったが、ここにジュニーニョを中心とした得点力が上積みされれば、目標のJ1定着も見えてくる。