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 山形県スポーツ振興21世紀協会」の通常総会が19日、天童市内で行われた。今年度は約3900万円の赤字見込み。ホームゲームの入場料収入が、予算案より約1億2500万円減だったことが最大の要因となった。大幅なズレが生じた理由は昨年3月11日の東日本大震災による試合日程変更と、国内全体の「自粛ムード」の影響を受けたことが挙げられる。総会後、会見に臨んだ高橋節(たかし)理事長代行・副理事長(61)は「入場料分が今回の結果(赤字)のすべてとも言えると思う」と話した。

 繰越赤字と合計すると、約6300万円の負債を同協会は抱える。厳しい現状を受け、中井川茂敏常務理事兼GM(53)は「14年度までに返済できるようにする」と説明。その背景には、13年シーズンから始まる「クラブライセンス制」がある。毎年の資格審査をクリアしなければ、クラブのライセンスが剥奪される可能性も残る。連続赤字決算も対象となるため、早期の完済は不可欠となる。

 クラブは対応策として、今季シーズンチケットの販売3000枚以上や、集客を望める大規模な企画の実行を挙げた。中井川GMは「ホームゲームは1試合平均6500人の来場を見込んでいる。営業活動を強化して、来年度は2200万の黒字を出したい」と話した。

 ◆クラブライセンス制

 リーグの価値向上を目的に、17日に制定された新基準。毎年の資格審査を満たすことができなければ最悪の場合、クラブはライセンスを失う。審査の基準はスタジアム等の「施設」など5つの分野に分かれ、合計で56項目にも上る。今回、山形が目標達成を目指すのは「財務」の分野。「直近3年間すべてが赤字、もしくは債務超過」となったチームには、ライセンスが交付されないこととなった。