「TSUTAYA」ならぬ「OKITAYA」スタート。札幌が24日、新千歳空港からグアム合宿へ出発した。今日25日からトレーニングが始まる。合宿中は、沖田優コーチ(33)がJ1の好プレー集などを編集したDVD約100本を持ち込み、選手個々のレベルアップに合った映像を、要望に応じて貸し出していく。同時にJ1選手の特徴も事前に把握させ、効率的なチーム強化につなげる。

 バラエティー豊富なDVDの無料レンタルで選手の脳内革命を図る。沖田コーチは「昨季J1の試合の映像などを、どさっとグアムに持っていく。100本ぐらいにはなる。選手が求める物を貸し出していきたい」と話した。15日間の長期合宿だけに部屋で過ごす時間も増える。「夜の空いた時間を有意義に使ってもらえれば」。4年ぶりJ1に備え、寝る前のひとときも無駄にはしない。

 狙いは2点ある。まずは相手情報を把握することにある。「パスのクオリティー、戦術の精度ともにレベルアップする。自分も3年J1から離れ、知らなかった選手もいる。それをチームみんなで把握したい」。レンタル“会員”は選手だけではない。監督、コーチ陣も含め、チーム全員でJ1選手の新データをインプットし強化に結びつける。

 もう1点は、好プレー集からのイメトレ効果だ。これまでもバルセロナの試合の映像を持ち込み、ミーティングなどに活用してきたが、今回は12月のクラブW杯など新作が追加された。準決勝サントス-柏戦については「サントスの2点目を見てほしい。特に2タッチ目の早さ。岡本、古田には特に参考にしてくれれば」と同コーチ。J王者の柏からも学ぶ。「まねはできなくても、柏のコンセプトと似ているものはある。参考になるシーンはDVDに落とし込んだ」。昇格翌年、いきなりJ1頂点に駆け上がった秘訣(ひけつ)も、同時に探っていく。

 今季は開幕戦の相手磐田を含め、複数クラブで監督が交代した。昨季の映像だけでは補いきれない部分もある。「戦術が大きく変わるところもある。キャンプ中の試合も見ながら最新の情報を把握していく」。同コーチは2月12日から始まる熊本2次合宿中、日本中を飛び回りJ1クラブの仕上がり具合をチェックする。感度抜群の“オキターネット”も駆使して、選手に有力かつ新鮮な情報を届けていく。【永野高輔】