宮阪&石川の「M・I砲」で厚い壁を乗り越えろ!

 J2山形は23日、MF宮阪政樹(22)とDF石川竜也(32)のプレースキックを中心としたセットプレー練習を行った。2人はゴールの周囲20メートル付近から、位置を変えながら正確なクロスを供給。中央で待つ長身プレーヤーの豪快なダイレクトシュートにつなげた。20日の甲府戦で、プロ初得点をFKで決めた宮阪は「(石川)タツさんに教えてもらいながら、狙えるところは狙いたい」と貪欲な姿勢をみせ、一方の石川は「調子は悪くないし、チャンスが増えれば」と手応えを感じていた。

 25日にアウェーで対戦する岡山は守備に人数を割く傾向にあるため、流れの中から得点を奪うことは容易ではない。そこで2人のFKを生かす。昨季まではゴール前のリスタートの選択肢は「左の石川」一辺倒。17日に対戦した大分田坂監督が「僕が(J1清水の)コーチ時代から、山形と言えば石川のクロス」と断言するほど限定的だった。言い換えれば的を絞りやすいということ。だが、今季から精度の高いキックを持つ宮阪が加入。石川は「相手のキーパーが迷うだろうし、攻撃の幅も増える」と新人とのコンビに新たな可能性を見いだす。

 セットプレーに関して、奥野監督は「どう生かすかは、選手の判断に任せている」と多くを注文しない。現に甲府戦は石川の指揮で宮阪の得点を演出。自主性を重んじるスタイルが功を奏している。岡山戦では、石川は10年11月6日の大宮戦以来のゴール、宮阪は生涯初の2戦連発が懸かる。堅守は必殺の飛び道具で崩してみせる。【湯浅知彦】