清水は静岡ダービー3日前の11日を完全オフとした。ダービーに限らず、リーグ戦直前としては異例の調整だが、アフシン・ゴトビ監督(48)は今季の日程が決まった当初から、この日がオフのタイミングだとにらんでいた。「4月は試合が多く選手にとってはタフで心理、身体的に厳しい負担があるので、体を回復させる時間が必要」と説明するように、3月27日から今月7日の神戸戦後まで12日間、休養日なく2戦を消化。特に今季は前線からのプレスが機能しており、試合後の疲労度が濃い選手も多い。さらにダービー後も18日にナビスコ杯横浜戦、22日にリーグ戦G大阪戦と続くため、コンディション調整のためにも、今節前の完全休養日を設けた。

 今日12日からは通常通り完全非公開での調整で静岡ダービーに備える。現在、ナビスコ杯も含め3戦連続完封で3連勝と選手は高いパフォーマンスを維持。オフ前日の10日には選手間で指示の声が飛び交う、充実した2部練習をこなした。ゴトビ監督も「良い練習ができている。休みは時としてプラスに働くこともある。このサイクルでモチベーションを高めていく」と話した。

 昨季のダービーは東日本大震災のチャリティーマッチや開幕前の練習試合を含め、4試合全てが1点差以内の接戦で3分け1敗。今回は互いに好調を維持して迎える伝統の一戦だけに、心身ともにより激しい戦いが予想される。それだけに、ダービー後もにらんだ「ダービー前休日」の効能が注目される。【前田和哉】