<J2:山形3-1町田>◇第31節◇26日◇NDスタ

 ゴールラッシュで勝負の秋に弾みをつけた。山形は前回の対戦でスコアレスドローに終わった町田に快勝。前半20分、高橋健二コーチ(42)の持つチームJ最多288出場記録に並んだMF秋葉勝(28)が先制弾を決めると、41分にはFW林陵平(25)が移籍後初ゴール。さらにロスタイムにはFW中島裕希(28)のチーム単独得点王となる8点目でダメ押しした。引き分けを挟んで2連勝とし、勝ち点55で4位に浮上した。

 記念ゴールの連発で町田を粉砕した。山形は前半20分、MF永田のパスを中央でFW林がマイナス方向に落とすと、前線に詰めてきたMF秋葉が右足でシュート。強烈なライナー性の一撃はゴール左隅に突き刺さった。山形一筋11年目の男は、この日がJ通算288試合目の出場。「ミスター・モンテディオ」こと高橋コーチが持つ「チームJ通算最多試合出場記録」に並ぶ節目のゲームを飾るゴールだ。シーズン自己最多を2つ更新する今季7点目で、伝説にまた1歩近づいた。

 ゴールに飢えていたストライカーが続いた。41分だった。FW中島のシュートがポストに跳ね返ると、相手DFのマークを吹き飛ばして走り込んだ林が押し込んだ。J1柏から加入後6戦目での移籍初得点。「ドヤ顔」からの雄たけびで歓喜を爆発させた。背中に光る39番は「サンキュー」を意味する。林が尊敬し、同じく柏からJ2熊本へ移ったFW北嶋と同じ背番号をあえて選択した。だが、移籍直後に北嶋は故障。けがに苦しんでいる“先輩”に届けるゴールを決めた。

 とどめはFW陣でたた1人全試合出場を続ける中島だった。前半終了間際、DF小林の右クロスを頭でとらえて3点目。チーム単独得点王の今季8点目で試合を決定づけた。ゴールの勢いそのままに、右手人さし指を天に突き上げるおなじみのパフォーマンスで声援に応えた。

 引き分けを挟んで2連勝。順位も2つ上げて4位に浮上した。残り11試合。勝負の秋に弾みをつける大きな白星をつかんだ。【湯浅知彦】