決定力重視の布陣で打開する。J2山形は19日、明日21日のホーム北九州戦(NDスタ)へ向けた紅白戦を行い、1本目でFW中島裕希(28)が主力組の攻撃的右MFで出場した。チームはここ2戦、下位相手に無得点。シュート数も少なく、今季チーム最多タイの8得点を挙げているストライカーを1列下げる布陣を試した。

 8試合ぶりの勝利へ、温めていたプランを実行する可能性が出てきた。これまでも練習試合や、けが人が多かった8月の紅白戦では右サイドに入ることはあった。だが「公式戦となれば人生初」(中島)。紅白戦後はクロスの練習に汗を流した。「何本か、良いボールはあった。守るときは切り替えを早くしたい」と、慣れないポジションでの対応に自信を見せる。

 移籍1年目の今季、累積警告で出場停止だった1試合をのぞく37試合でスタメン出場。奥野僚右監督(43)が「3トップだったときは、サイドの役割を担っていた。組み合わせを試したかった」と、中島の先発起用を前提に考えるほど信頼は厚い。反対側の左サイドには、前節スタメンを外れたMFブランキーニョ(29)の起用が濃厚。攻めて、攻めて、長いトンネルから抜け出す。【鹿野雄太】