J2山形DF堀之内聖(33)が、恩返しを誓った。千葉・館山キャンプ2日目の24日、紅白戦で存在感を発揮。3本目で本職のセンターバックに入ると、積極的に声を出してDFラインを統率した。ポジション総入れ替えで行った1本目は右サイドハーフ、2本目はFWでプレー。「楽しかったけど、難しい。やっぱりDFは落ち着く」と汗をぬぐった。

 センターバックは、今季最大の補強ポイントだった。条件は「リーダーシップの取れる選手」。プロ12年目のチーム最年長は、求められた役割を自覚している。「コーチングやラインコントロールなど、言葉で伝えにくい部分を出していきたい」。合流から10日で早くもチームに溶け込み、宿舎で同部屋の新人MF谷村憲一(17=盛岡商)とは「一緒にテレビを見たり、雑談したりする」と話す。

 昨季は横浜FCで22試合に出場。序盤は低迷したが、堀之内が先発起用された5月から一気に勝ち星を伸ばした。昇格プレーオフ進出の原動力に待ち受けていたのは、まさかの戦力外通告。声をかけたのが山形だった。「感謝を形で表したい」と今季にかける思いは強い。浦和で数々のタイトル獲得に貢献したが「あれは過去の栄光」。堀之内の目には、山形のJ1復帰しか見えていない。【鹿野雄太】

 ◆堀之内聖(ほりのうち・さとし)1979年(昭54)10月26日、さいたま市生まれ。三室サッカー少年団でサッカーを始める。浦和市立高(現市立浦和高)3年で選手権に出場。東学大に進学し、02年に浦和に入団。12年に横浜FCに移籍。J1通算148試合7得点、J2通算22試合2得点。178センチ、72キロ。