パパになった攻守のキーマンが、開幕戦勝利に導く。J2山形は宮崎キャンプ9日目の26日、雨の中で約2時間の練習を行った。22日に第1子となる長男が誕生したMF宮阪政樹(23)は、変わらぬ正確なキックを披露。プロ2年目を迎える若き司令塔は「ゴールを決めてゆりかごパフォーマンスをやりたいけど、チームが勝つことが一番」と3月3日の愛媛戦(ニンスタ)での必勝を誓った。

 自覚は十分だ。グラウンド全体を使った攻撃練習で、宮阪の右足がさえ渡った。ぬれた芝の状態を読み切り、両サイドの受け手にピタリとつないだ。キャンプ中は生まれたばかりの長男の写真を見て「大黒柱として頑張らなきゃ、という自覚がこみ上げてきた」と、全体でセットプレーを確認した後も居残りでFK練習に汗を流した。

 “イクメン”としてのアドバイスも受けた。2児の父であるFW山崎から「おむつ替えもするし、お風呂にも一緒に入ると聞きました」と、自身が体験する時を待ち遠しそうに話した。開幕戦が終われば、長男との対面が待っている。「頑張ってくれた嫁さんや、除雪してくれたサポーターにいい結果を届けたい」。支えてくれた人たちに勝利を届けるために、宮阪が右足を振り抜く。【鹿野雄太】