今季初厚別で3戦連続完封だ!

 J2札幌は今日28日、札幌厚別公園競技場で熊本と対戦する。4試合ぶりの先発出場が確実なDF奈良竜樹(19)が、自身のアピールとチーム3季ぶりの3試合連続完封に意欲を見せた。9日間で3試合という厳しいゴールデンウイーク日程の初戦をシャットアウトで飾り、昇格圏入りへ弾みをつける。

 4試合ぶりのスタメンのチャンスをつかんだ奈良は、27日の前日練習で厳しい表情を崩さなかった。ミニゲームでは全力でボールを追う。セットプレーの練習では、ヘッドで、足で積極的にゴールを狙った。「パウロンみたいに身体能力が高いわけじゃない。組織的な守備でチームに貢献したい」。自分に言い聞かせるように決意を口にした。

 昨年4月には、ロンドン五輪出場を目指すU-23日本代表候補の練習に飛び級で参加した。J1のチームでもレギュラーだった。1年後の今、J2で試合に出られない。7日の岡山戦で3失点し敗戦。スタメンを外れた翌節の徳島戦からチームは3戦負けなし、2試合連続で完封中だ。奈良自身、期するものがある。

 前節の長崎戦では、同じセンターバックのDFパウロンが試合中にケガをしたが、交代は自分ではなかった。そのパウロンのケガの状態が1週間で戻らず、ようやく回ってきた出番。「今はアピールする立場」と、悲壮感をにじませる。

 熊本とは、高校3年生でトップチームに参加していた2年前の10月に同じ厚別で対戦。3-0の完封勝利に貢献した。前節に続く2戦連続完封でレギュラーを不動のものとし、J1昇格への流れをつくった。「(相性の)いいイメージがあります」と前向きにとらえる。

 4月の最終試合を完封すると、翌年は必ずJ1。チームの過去の歴史をひもとくと、明るいデータがある。序盤とはいえ大事な一戦に、奈良は「気持ちを切らさず、チームのいい流れに乗っていきたい」と力を込める。GWは5月3日京都戦、6日北九州戦と続く。ゲンのいい厚別で10年以来の3試合連続完封を果たし、奈良自身も今後へ攻勢をかける。【中島洋尚】