<J1:広島1-0大分>◇第11節◇11日◇Eスタ

 広島の日本代表GK西川周作(26)が、大分戦に強行出場で今季5度目の完封へ導いた。左ふくらはぎ痛で6日大宮戦を欠場し、大分時代の09年開幕から続いた4季連続のフル出場記録がストップ。代役で大宮戦に出場したGK増田が相手と激突し、脳振とうで緊急搬送される事態となり、満身創痍(そうい)でピッチに戻ってきた。前半20分には大分松原の強烈なシュートを横っ跳びで阻止。負傷を抱えながらも、見せ場を作った。

 3戦ぶり勝利の立役者は、スタンド観戦した同僚増田を気遣った。「僕も(前々節)名古屋戦で脳振とうを起こしていますから。GKとして体を張るのはいいこと。自分もこれから体を張ってゴールを守っていきたい。無失点で勝てたことが、何よりも大きい」。生まれ育った古巣大分との初対戦だったこともあり「特別な思いを抱いてプレーした」と感傷的でもあった。

 今月下旬からは14年W杯出場権を懸けた代表合宿が始まる。患部は「まだ張りと違和感がある」といい、万全とは程遠い。

 それでもエースFW佐藤は「集中していたし(西川)周作がいることで守備が安定する」と信頼。広島の絶対的守護神は、痛みをこえらえて奮闘を続ける。【益子浩一】