磐田は8日、磐田市内で、10日のアウェーでの鳥栖戦に向け調整を行った。引き分け以下で降格が決定するため、まず点を取らなければ始まらない。2トップが予想されるFW前田遼一(32)は「勝つことに集中するだけ」、金園英学(25)は「無駄走りでも何でも、気持ちを見せてやるだけ」と自分の仕事をまっとうするつもりだ。

 引き分けも許されない鳥栖戦で、エース前田は「勝つことに集中するだけ」と話した。3日の名古屋との練習試合では金園と2トップを組み、今回も金園とのコンビを組む可能性は高い。0-1で惜敗した清水戦後、2週間の練習期間を「みんなの考えを一緒にすることを意識した」と振り返り、金園とのコンビには「動きがかぶらないようにすること」と話した。

 今季は30試合を終え、わずか3勝。前田は9得点を挙げ、5年連続の2ケタ得点に王手をかけているが、今季のチームの低迷に「自分の力不足だと思います」と強い責任を感じている。さらに「苦しいことは誰にもあると思うので、それをいかに乗り越えるかだと思う」と口にした。

 一方の金園は、8月17日の湘南戦以来の先発が見えてきた。鳥栖戦では、2戦連続で得点を決め、今季のホームでの対戦では2-3から同点弾を決めた。「引き分けも負けと一緒なので、まずは点をとらないと。正直、逆転できる力があるかというと今はないので…。失点を恐れず、初めからいくしかない」と攻めの姿勢を見せる。

 金園は9月初め、左ひざ靱帯(じんたい)損傷で約1カ月、離脱した。10月19日の川崎F戦で復帰し、試合にも得点にも飢えている状態だ。「シュート打たずにじれて、アウェーで0-0はもったいない。無駄走りでもなんでもいい。気持ち見せてやるしかない」と、懸命に走り回ってゴールに迫る覚悟だ。アウェーでの勝ち点3は、2人のFWにかかっている。【岩田千代巳】