<J2:G大阪3-2山形>◇第41節◇17日◇万博

 失点が止まらないまま、J1復帰への道が閉ざされた。山形はG大阪に競り負け、今季の7位以下が確定。プレーオフ進出の可能性が消滅した。FW万代宏樹(27)が2得点するなど食い下がり、シュート数や決定機の数では上回ったが、またしても守備が崩壊した。

 攻めても、決めても、勝てなかった。J1昇格の可能性が消えたと同時に、G大阪に目の前で優勝を決められた選手たちはがっくりと肩を落とした。シュート数はJ2最多得点を誇る相手を上回る15本。チャンスを数多く作り、2点取っても勝てない“弱さ”を最後まで改善できなかった。DF堀之内は「チーム全体の守備意識が統一できていれば、シーズン終盤まで(失点が多い状況を)引っ張っていない」と唇をかんだ。

 2失点目のオウンゴールが堀之内の指摘を象徴していた。自陣に人数がそろっていながら、ボールを持つG大阪MF倉田に誰もプレッシャーをかけない。スルーパス1本で右サイドの裏を取られてクロスを許し、中央でクリアしきれなかった。2得点の万代も「喜べないし、意味がない。G大阪みたいなチームからは、狙いを持って守備をしないとボールは取れない」と反省ばかり。個の技術が高い相手にも、組織で守るという意図は見られなかった。

 試合後、奥野監督は「得点されても攻撃的な姿勢を貫けたのは大きい」と言った。実際、得点数は自動昇格を決めたG大阪、神戸に次ぐリーグ3位に入るまでに増えた。だが、失点はリーグ下から4番目の多さ。奪った得点を、勝利に結びつける力が最後まで足りなかった。【鹿野雄太】