名古屋の元日本代表DF田中隼磨(31)が契約満了に伴い今季限りで退団することが19日、分かった。不動の右サイドバック(SB)で絶対的な存在とみられていたが、クラブは世代交代を断行。来季構想外となった。今後は移籍先を探す。クラブは来季監督を名将・西野朗氏に一本化し、年内の誕生が確実視されている。赤字が続く経営的側面もにらみ、実力者も放出される。

 09年に横浜から完全移籍で加入した田中隼は不動の右SBとしてJ屈指のスタミナを生かし10年リーグ初制覇にも大きく貢献。今季もリーグ全31試合に出場中で途中交代も2試合だけ。同出場時間数は守護神のGK楢崎に次ぐチーム2位。今季は史上33人目のJ1通算350試合出場という節目もクリアした。経験ある右SBは今オフの市場でも貴重で、来季の名古屋にとって厄介な敵となる可能性がある。

 ◆田中隼磨(たなか・はゆま)1982年(昭57)7月31日、長野県生まれ。01年にトップ昇格する形で横浜入り。東京V移籍をへて横浜に戻り、09年に名古屋移籍。横浜と名古屋でJ1制覇に主力として貢献した。日本代表でも国際Aマッチ1試合出場。J1通算352試合15得点。家族は妻と2男1女。174センチ、64キロ。