清水は29日、仙台戦に向けて完全非公開で約1時間半の調整を行った。今季アウェー最終戦の相手となる仙台の手倉森誠監督(46)は、16年リオデジャネイロ五輪を目指すU-21日本代表監督に就任することが既に決定。同代表入りを目指すMF石毛秀樹(19)とGK櫛引政敏(20)は、この絶好のアピールチャンスでチームを勝利に導く活躍を誓った。

 GK櫛引とMF石毛が、好プレー連発で「手倉森ジャパン」入りへ猛アピールする。この日、完全非公開で仙台戦に向けた最終調整を完了。2人は「天皇杯で負けているので、まずは借りを返したい」。報道陣からの取材に笑顔を見せるなど、充実した表情で敵地に向かった。

 自身のプレーを印象付ける準備はできている。櫛引は、前節大宮戦でビッグセーブを連発。決定的なピンチをシャットアウトし、今季7度目の完封勝利に大きく貢献した。また、仙台戦は今季序盤の定位置獲得から初めての東北開催。“凱旋(がいせん)試合”には、故郷・青森から両親や友人など頼もしい応援団が駆けつける予定で「細かい部分で課題はあるが、(完封する)手応えはある。いつも通りにプレーできればいい」と、静かに闘志を燃やした。

 石毛も、好調を維持している。大宮戦では右FWとしてピッチに立ち、積極的なドリブル突破から好機を演出。アフシン・ゴトビ監督(49)も「最後の部分で精度を欠いたが、良いパフォーマンスだった」と高く評価。仙台戦は1つ下がった右サイドバックでの先発が濃厚だが、「上がるタイミングはつかめている。攻撃面では手応えがあるので、がんがん仕掛けて結果を残したい」と、ゴールへ貪欲な姿勢を見せた。

 以前から「五輪には出たい」と口にする2人。手倉森監督が“視察”する中、エスパルス期待の若手が夢に向かって躍動する。【前田和哉】