J2札幌が2日、札幌宮の沢で1週間ぶりにチーム練習を再開した。14年に向けたスタートで、財前恵一監督(45)は、自ら指示を出さずにコーチ陣に指導を一任する姿勢を打ち出した。「自分は今はノータッチ。任せている。テーマや目標も、まったく指示していない」と、1週間のオフでの自己管理を確認するのにとどめる。自主性をチェックし、来季チームづくりの指標にする。

 この日から6日まで5日間、フィジカルは古辺コーチ、ボールを使った練習は名塚、北原両コーチが指導する。「こういう時期が一番、コンディション維持が難しい。来季への準備をしてくれれば」と、指揮官は選手の観察に専念する。

 もう1つ狙いがある。古辺コーチが、オフが長引くと、若手のコンディション調整がうまくいかないことを懸念。11月20日の天皇杯甲府戦前に「12月末までチーム全体で動かせるようにしたい。そのためにも準々決勝に進出してほしい」と監督に提言したが、天皇杯は敗退し、プレーオフもなくなってしまった。

 そのため、オフで疲労回復させたタイミングを見計らい、コーチ主導で体づくりや基礎トレーニングを徹底させる。若手は全体練習終了後も、20日まで札幌市内の施設に集め練習させる。戦術抜きで若武者を土台から鍛え、雪辱の14年につなげる。【永野高輔】